悪性胸膜中皮腫患者に対するニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法の早期承認に関する要望書を提出

更新日:2021年3月16日

公開日:2021年3月15日

3月15日付けで、「悪性胸膜中皮腫患者に対するニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法の早期承認に関する要望書」を特定非営利活動法人日本肺癌学会(理事長 弦間昭彦)などとの連名で提出致しました。

現在、首都圏において緊急事態宣言下でありますので、改めて厚生労働省との面談を設定し、要望をしていく予定です。1日も早い承認に向けて、今後も取り組みをしていきます。ご支援の程よろしくお願い致します。

2021年3月15日

厚生労働大臣 田村憲久殿

特定非営利活動法人日本肺癌学会

理事長 弦間昭彦

特定非営利活動法人日本石綿·中皮腫学会

 理事長 長谷川誠紀

特定非営利活動法人日本肺がん患者連絡会

 代表 長谷川一男

中皮腫·アスベスト疾患·患者と家族の会

 会長代行 小菅千恵子

中皮腫サポートキャラバン隊 

共同代表 右田孝雄 

悪性胸膜中皮腫患者に対するニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ

(商品名:ヤーボイ)の併用療法の早期承認に関する要望書

現在、日本における悪性中皮腫の年間罹患数は1200人程度と推定され、今後も増加が予想されています。悪性胸膜中皮腫は診断·治療ともに困難な疾患であり予後も不良です。早期に診断された症例では外科的切除を中心とした集学的治療が施されますが、多くの症例が再発をきたします。診断時にすでに進行期である症例および術後の再発例にはプラチナ製剤およびペメトレキセドによる全身化学療法が施され、二次治療としてニボルマブ(商品名:オプジーボ)による免疫療法が選択されます。しかし、これらの治療に不応又は不耐である患者も多く存在するため、一次治療も含めた治療選択肢の拡大が切望されています。

2020年8月に世界肺癌学会で未治療の悪性胸膜中皮腫患者(605名)を対象としたオープンラベル多施設無作為化第III相試験の結果が報告され、ニボルマブとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法が従来の標準化学療法(プラチナ製剤およびペメトレキセド)に比較し有意に生存期間を延長することが示されました。ニボルマブとイピリムマブ併用群ではニボルマブを2週おきに3mg/kgとイピリムマブを6週おきに1mg/kgを最長2年間投与しました。標準的化学療法群では、シスプラチン75mg/m2あるいはカルボプラチン AUC 5とペメトレキセド500mg/m2を6サイクル投与しました。主要評価項目である全生存期間の中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が18.1カ月(95%信頼区間:16.8-21.4)、標準的化学療法群が14.1カ月(95%信頼区間:12.4-16.2)、ハザード比0.74(96.6%信頼区間:0.60-0.91)、p=0.0020とニボルマブとイピリムマブの併用群で有意に延長を認めました。また、安全性についても治療の中止に至ったグレード3以上の有害事象が15%と許容範囲内でした。なお、本試験には、アジアからは日本と中国からも参加しております。以上より、米食品医薬品局は10月2日、成人の切除不能悪性胸膜中皮腫の1次治療として、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を承認しました。

本試験は、希少癌である悪性胸膜中皮腫605例を登録した大規模な無作為化第III相試験であり、ニボルマブとイピリムマブの併用療法の臨床的有用性を強く示唆するものと考えます。標準的治療に乏しい悪性胸膜中皮腫の患者さんに一日も早く効果の高い治療を提供する必要があると考えます。ニボルマブとイピリムマブの併用療法についてブリストルマイヤーズスクイブ社および小野薬品工業株式会社から2020年10月27日に承認申請がありました件につきまして、早期承認をしていただきますよう要望いたします。