近くの近道 VOL.2-正しいがん情報へのアクセスのヒント-どのような医療を選べばよいか?

 皆さん、こんにちは。「みぎくりハウス」を訪れている方に、本やインターネットの情報などを紹介している、スノー・マンです。
 私は、中皮腫患者の家族です。前回も書きましたが、妻が中皮腫に罹患したときには、まだこの「みぎくりハウス」が開設されておらず、本やネット情報を探しましたが、正しく有用な情報にたどり着くのに、非常に苦労した記憶があります。いまも、皆さんも良質な情報にアクセスするのに大変苦労されているのではないかとおもいます。
 このコーナーが、みなさんの情報アクセスへの「近くの近道」になればと思います。なお掲載した情報は、私スノー・マンが厳選し、中皮腫サポートキャラバン隊が確認しております。このため有害な情報は排除されていますが、なにか問題・疑問があれば、こちらまで、ご連絡ください。

 第二回目のテーマはどのような医療を選べばよいかということです。
 エビデンスってなに? そんなに重要なものなの?
 標準治療って標準的な治療なら、もっと有効な治療はないの?
 インチキ医療、トンデモ医療って言われているものは危ないの?
 再発したらどうするの?再発に打つ手はないの?
 こういった疑問に答えてくれる、本、ウエッブサイトを紹介したいと思います。

 『最高のがん治療』津川友助・勝俣範之・大須賀覚 共著

ダイヤモンド社出版 本体価格¥1,500-
 本の題名は「最高のがん治療」と、なんとなく怪しさを感じます。
しかし、著者は、医療データ分析・腫瘍内科医・新薬開発の三人の専門家たち。三人での共著の理由は、がんは複雑な病気で、とても一人で語りつくせるものではない。出版の動機は、「がんと診断されたときに最善の治療法を選んでほしい」とのこと。いたってまじめなものです。
 さらに内容はというと、まじめである上に非常にわかりやすいものになっています。学術論文を使って信頼性を担保していますが、その説明はとても平易。信頼できる情報ソースはQRコード付きで記載している親切さ。「がん情報サービス」はそのトップに書かれていて、前回ここで「がん情報サービス」を紹介した私も安心しました(笑)。
 一方で、一部の医療者は、いわゆるトンデモ医療とは関わりあいになりたくないため、あえて触れずにいるひともいます。しかし、本書は、トンデモ医療の見分け方まではっきり書いており、こういったものにかかわって不幸になる人をなくしたいという強い意志を感じます。
 誰にもお勧めできる良書で、帯宣伝の文句である「後悔しないために最初に読む本」に偽りなしとの印象です。本書の良くない点をあえて挙げるとすると、書名のネーミングセンスくらいでしょうか(笑)。

 動画『インチキ医療に惑わされないために』

ちゃやまちキャンサーフォーラム2017(2017年10月28日)
~「知る」「学ぶ」「集う」わかる!がん情報~
講師:日本医科大学付属武蔵小杉病院 腫瘍内科 勝俣 範之 医師http://www.cancerchannel.jp/post33386

 先の書籍の共著者の一人でもある、勝俣範之医師の講演です。勝俣医師はインチキがん治療、トンデモがん治療と戦っている医師として有名な方です。優しい物腰、物言いではありますが、患者をだますインチキがん治療は絶対許さないという気持ちが見える良い講演だと思います。資料もとても分かりやすいスライドを使って参考になりますね。がんになった時の不安な気持ちに付け込んだインチキ医療によって、不幸になった患者さんを多く見てきた正義感からはっきりと良いものは良い、悪いものは悪いと言っています。
 でも最後の結論は、騙される患者は悪くない、そういうところに患者を走らせてしまう、今の医療・医師に問題があるというもの。こういう勝俣先生のような医者が一人でも多く増えてほしいと感じています。

 『がんでは死なない 再発をのりきる』松江寛人監修 保険同人社出版

本体価格 \1,500-
 がん総合相談センター院長であり、元・国立がんセンター病院放射線診断医長の、松江寛人氏監修の書籍です。患者はがんという列車に乗っているというたとえで、「そのとき起こっていることをきちんと把握し、対処すること」が重要と説きます。再発がんの治癒は難しいということははっきりと書きながらも、「がん=死」でもなければ、「再発=死」でもない。これが書名の「がんでは死なない」の背景にあり、正確な状態の把握により、患者と家族が納得して対処することを目的に書かれています。
本自体は、患者からの相談事例に答える形で、がんに罹患した場合・再発した場合の問題点と対応が書いてあります。そう分厚い本ではありませんが、内容は多くのものが詰まった本です。がんの再発だけでなく、がんになった時にもちからになる一冊です。

 『もしも、がんが再発したら-本人と家族に伝えたいこと【患者必携】』

国立がん研究センターがん対策情報センター編著
英治出版¥810-
がん情報サービスの次のホームページで、無料で読むことができます。
https://ganjoho.jp/public/qa_links/hikkei/saihatsu.html

 実際の多くのがん再発患者が協力して作られたものです。再発した時から起こる、あるいは必要となる様々な問題が、丁寧にわかりやすく書かれています。直接的な治療法だけでなく緩和医療や家族の対応、ACP(人生会議)についても書かれています。がんの再発診断を受けたときに、読んでほしい本です。

 <近くの近道での寄り道>

 しつこいようですが、このコーナーを作った理由をもう一度書かせていただきますね。
 私の尊敬する、あるお医者さんの言葉です。
「人生は時間そのもの。がん患者となったということは、つらいことではあるが、その時間を意識できるという面では、人間の格が上がったといえる。その大切な時間を、がん治療だけに費やすのはもったいない。がんを考える、がんで悩むのは、一日一時間と時間を決めて、それ以外の時間は、人生を豊かにするものに使いなさい。」
 ということで、人生を豊かにするという壮大な目的に沿う、がん以外の情報です。(自分でハードル上げてどうするんでしょう^^。
 でも今回は自信ありです!私スノー・マンの最高だと思う映画の紹介です。

 あの名作「カサブランカ」です。テーマ曲「時の過ぎゆくままに(As time goes by)」の甘く切ないメロディー、数々の名シーンと名セリフ、イングリッド・バーグマンの美しさ、ハンフリー・ボガードの渋さ、そしてなにより私スノー・マンが映画史上最高と確信するラストシーン!! あと、男のやせ我慢の美学、そう「ボギー!俺も男だ」(この小ネタがわかる人は映画通ですね)。
 80年近く前の映画なのに、このみずみずしさ、私スノー・マンは20回以上繰り返し見ていますが、それでもあきません。ご覧になっていない方は、ぜひ見てください。¥500-ほどでDVDが入手できます。
 では、「君の瞳に乾杯!」