麻袋(ドンゴロス)再生作業での中皮腫や石綿(アスベスト)肺がんの被害 国が被害者遺族と和解

アスベスト原料が入った麻袋(ドンゴロス)の再生・加工作業に従事した元工場労働者が、中皮腫や石綿肺(アスベスト肺)を発症して亡くなったとして、被害者4人の遺族が国に損害賠償を求めていた裁判で、9月27日に大阪地裁で原告全員との和解が成立しました。

注:麻袋のイメージ

元労働者たちは1944年から1976年にかけて大阪・堺市内の3つの工場で麻袋を解体してミシンで縫い合わせるなどして再び麻袋に作り直すなどの作業をしていました。

麻袋をめぐる被害については、2014年にアスベスト被害者支援団体の関西労働者安全センターや中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会などが、堺市内の麻袋をリサイクルする工場の元労働者8人と近隣住民2人が中皮腫や肺がん、石綿肺などの被害を受けていることを報道発表しています。元労働者たちについては全員、労災認定されています。また、これらの方々以外にも、アスベストばく露を示す病変の「胸膜プラーク」の有所見者がいることも確認されています。

その後、新たに堺市役所の元事務職の男性も腹膜中皮腫を発症して死亡していたことが明らかになりました。この被害者が居住していた家から160メートルほどのところに、麻袋を集積していた会社の倉庫がありました。

堺市ではこのような背景から、環境省の「石綿ばく露者の健康管理に係る試行調査」に参加して、居住歴のある住民の健康管理体制を敷いています。

また、麻袋はソファーなどの家具の裏打ち材にも使用されたこともあり、中皮腫の発症事例もあります。そのような意味から、麻袋をめぐる被害は堺市に限定されるものではないと言えます。

日本経済新聞(2014年4月15日)「麻袋再生で石綿被害 堺の工場、従業員など10人死亡」

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG15013_V10C14A4CC0000/

産経新聞(2014年10月29日)「実家近くに石綿麻袋の集積倉庫、「中皮腫」で死亡 堺で新たに判明」

https://www.sankei.com/west/news/141029/wst1410290060-n1.html

毎日新聞(2019年9月27日)「麻袋石綿訴訟が和解 遺族に5720万円支払い 麻袋再生工場では初 大阪地裁」

https://mainichi.jp/articles/20190927/k00/00m/040/240000c

堺市:石綿(アスベスト)検診

https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/gomi/kankyo_hozen/asbest/ishiwata.html

腹膜・心膜・精巣鞘膜中皮腫におけるニボルマブ(オプジーボ)使用についての署名のお願い

胸膜中皮腫のセカンドラインの治療薬として、昨年、ニボルマブ(オプジーボ)が保険適用薬として使用されるようになりました。
一方、胸膜中皮腫以外の腹膜等の中皮腫(腹膜、心膜、精巣鞘膜)の患者は非該当とされたままです。
腹膜等の中皮腫患者は、胸膜中皮腫に準じる治療を受けています。
私達は、腹膜等の中皮腫患者にも胸膜中皮腫と同様の治療の選択肢を一日も早く認めて頂きたいと願っています。
この切実な思いを以下の要望にまとめ、政府、薬品会社、医療者の皆さんに届けたいと思います。
できるだけ多くの中皮腫患者の方々にこの要望に加わって頂きますようお願いいたします。同時に、患者家族をはじめ、多くの皆さんにご賛同の署名を頂きますようお願いいたします。
2019年6月7日
中皮腫サポートキャラバン隊
共同代表 栗田英司・右田孝雄