オプジーボ体験記(侮るなかれ副作用)体験者Mさんの場合

オプジーボ体験記(侮るなかれ副作用)
体験者Mさんの場合

オプジーボが悪性胸膜中皮腫に承認されてから1年が経ちました。当時は本庶佑教授が免疫チェックポイント阻害因子の発見とオプジーボの開発に携わり、ノーベル生理学・医学賞を受賞したためオプジーボは一躍夢の薬ともてはやされました。


おかげで私も承認直後の昨年8月からオプジーボを投薬することができました。ところが2週間おきのオプジーボの服用で9回目に全身に痒みが出て抗生物質を処方していただき、身体の洗い方もタオルから手で洗うようにしてどうにか治まり、投与再開して13回目直後には、東京へ行く新幹線の中で急に気分が悪くなりトイレにて嘔吐しました。その時は前日食べた物の食あたりかと思ったものの、その後は常に気分が悪く徐々に息切れし歩きづらくなってきたのですが、翌日から韓国へ行く予定があったので疲れのせいかと思って満身創痍で渡韓してしまいました。ところが韓国での3日間の体調は耐え難いものでした。夜は発熱し、昼間は歩行するにも息切れするほどでした。どうにか帰国した後すぐに主治医と連絡を取り診察してもらえることになり、すぐに病院へ向かいました。

病院では血液検査、尿検査、レントゲン、CTを撮り診察へ。主治医が言うにはどこも異常は見られず「疲れからやろう、点滴打とうか」と言いながら血圧を測りました。すると、私のいつもの血圧は135/90位なのですが、90/60と過去に見たことのない低血圧でした。その時主治医は分かったのでしょう。すぐに看護師に指示して再度詳細な血液検査の要請をしました。そして、待つこと1時間、再度診察室へ呼ばれて話を聞くと、「脳の下垂体から色々な機能へホルモン送るのですが、副腎へ送るホルモンが滞り、副腎で作られる血中コルチゾールが全く生成されていない」というものでした。数値も限りなく0に近い値でした。主治医は「これはオプジーボの副作用で副腎機能の低下」と断言し、ステロイド点滴を打ちコートリル錠を処方してもらって帰宅しました。

帰宅するとステロイドが効いたのか身体の怠さや息切れもなくなりすぐに普通の生活ができるようになったことで、改めてオプジーボの副作用の怖さを知りました。その後2週間空けてまたオプジーボを再開したのですが16回目の投薬後に出た医師からの答えは...。

まさかの「オプジーボの効果がなくて中止」でした。

どうやら、私の場合オプジーボを投薬する前にずっとアリムタを打ち続けていたのですが、オプジーボが承認されるとすぐに主治医がオプジーボに切り替えたため、本来アリムタで奏功していた状況をオプジーボが奏功していると勘違いしたのではないかと私は思いました。本当のところは定かではないのですが。

それからオプジーボを止めて、アリムタ単剤に変えました。3週間おきにアリムタを2回継続しておよそ二ヶ月が経過した時、第3の試練が私に襲い掛かったのです。ある日、外泊先のレストランで格安ステーキとサービスに出たカレーライスを平らげてホテルに戻ったくらいから胃の辺りがほんの少しですがしくしく痛んできました。その後も酷くはならなかったのですが満腹になるとしくしく痛みました。そして三日後自宅に帰った時に疲れたので娘に背中を押してもらったのですが、その頃から背中にも鈍痛が出てきたので、翌日心配になって主治医に電話すると診察してもらえることになり、翌日病院へ行って事情を話すと主治医は看護師に新たな血液検査をするように指示しました。そして結果が出た血液検査の血中アミラーゼとリパーゼの数値が異常に高いことに主治医と一緒に見て2人してびっくりしました。

暫くして主治医は「これは暴飲暴食による膵炎やなあ」と言われて処方箋を出されてその日は帰りました。そして薬を飲むとすぐに痛みは出なくなり、改善されたのかと思いながらも禁酒・禁脂物・禁コーヒーで処方薬を飲み続けて、2週間後再度診察に行きましたが、その時は痛みはなかったのですが血液検査を見て再度びっくりしました。なんと血中アミラーゼもリパーゼも右肩上がりで高くなっていました。そこで頭を抱えて考え出したのは主治医の方でした。しばらく考えて出した答えは、「薬剤による副作用かも...」ということです。また新たなステロイドを出されて、禁酒・禁脂物・禁コーヒーという食事制限を10日間して病院へ行って血中アミラーゼとリパーゼを測ったところ、顕著に数値は下がり、「薬剤の副作用とみていいやろう」と主治医の見立てでした。

私自身が経験しましたが、製薬会社の方からの注意もあったのですが「副作用はオプジーボの投薬中止後に出てくることがある」ということも事実でした。

確か一年前の説明では稀に重篤な副作用が出ると言われていましたが、最近患者さんから連絡を受けると相当数の患者さんに何らかの副作用が出ているようです。私自身も3回の副作用を起こし、副腎機能の低下は放っておくと血圧が異常に低下し、死に至らしめることもあるといいます。また膵炎は放っておくと糖尿病を発症するそうです。「稀に」起こる副作用が数十種類もあると、殆んどの方に何らかの副作用があっても不思議ではないと私は思います。

この自分の実体験から言えることは、オプジーボを少しでも投薬した方は投薬終了後であっても暫くは体調の変化に注意をし、少しでも身体の怠さや異常を感じた時は軽く考えず、すぐに主治医に連絡することをお勧めします。

決して、副作用を侮ってはいけませんよ。

腹膜・心膜・精巣鞘膜中皮腫におけるニボルマブ(オプジーボ)使用についての署名のお願い

胸膜中皮腫のセカンドラインの治療薬として、昨年、ニボルマブ(オプジーボ)が保険適用薬として使用されるようになりました。
一方、胸膜中皮腫以外の腹膜等の中皮腫(腹膜、心膜、精巣鞘膜)の患者は非該当とされたままです。
腹膜等の中皮腫患者は、胸膜中皮腫に準じる治療を受けています。
私達は、腹膜等の中皮腫患者にも胸膜中皮腫と同様の治療の選択肢を一日も早く認めて頂きたいと願っています。
この切実な思いを以下の要望にまとめ、政府、薬品会社、医療者の皆さんに届けたいと思います。
できるだけ多くの中皮腫患者の方々にこの要望に加わって頂きますようお願いいたします。同時に、患者家族をはじめ、多くの皆さんにご賛同の署名を頂きますようお願いいたします。
2019年6月7日
中皮腫サポートキャラバン隊
共同代表 栗田英司・右田孝雄