オプジーボ副作用 侮るなかれ

右田孝雄

現在14回目のオプジーボを継続中、奏効率20~30%の中に入っているのかというと、そうでもなくて私の場合SDという立ち位置。SDとは「安定」という良くもなければ悪くもない小康状態のことらしいです。よく言う「がんと仲良く」という状態でしょうか。これも奏功とするなら60%くらいの方がその範囲に入るらしいです。

しかしこんな私でもあわやという場面もあったのです。どういうことかと言いますと、軽い副作用は10回目の投薬後にありました。乾燥肌で背中が痒くて出張先のホテルで眠れない夜が続きました。勝手にパリパリのシーツのせいにしていたのですが、実はこれが副作用でした。でもこれはまだマシな副作用でした。痒み止めを処方してもらい、お風呂での体の洗い方に気を付けたら治まってきました。本当に怖い副作用はその後12回目の投薬の数日後に起こりました。

家族みんなで近所に漫才師のイベントがあるというので行った帰り、遅くなったのであまり行かない居酒屋に入りました。入ってすぐに出された焼き鳥が油で揚げていることに違和感があったのですが、頼んでしまったものを平らげて帰ったところ、親父がすぐに嘔吐とお腹を下して苦しみだしたのです。暫くして治まったのですが、この時甥っ子も自宅でお腹を下していたそうです。先ほど行った居酒屋で刺身が変だったということで食あたりとして保健所に電話しました。私はその時は何ともなく東京へ行く予定があったので向かいました。

ところがその新幹線の中で私は全身に悪寒を覚えてトイレで嘔吐しました。私はこの時若干時間はズレましたが食あたりだろうと思っていました。しかし、嘔吐した直後から身体が怠くなり、すぐに息切れはするし全身に疲労感と節々の痛みを生じるようになりました。しかし私はまだこの時、食あたりからの疲労かと思っていました。翌日、少しマシになったのでそのまま出張に出ていました。ところが日に日にその怠さは辛くなり、夜は発熱してこれは何かあるぞと感じた時にはフラフラな状態でした。

病院に電話したのはすでに新幹線での嘔吐から一週間経っていました。主治医はすぐに来いというので病院に行って血液検査、レントゲン、CTと順にやって診察室へ。これらの検査からは何の悪い原因も出なかったので主治医からは「疲労から来てるな、点滴して様子見よう」と言われ点滴の前に血圧を測ったのです。普段は140/90の高めだったのですが、この時は98/66とかなり低かったのです。これを見た主治医が「これかあ」と言うと再度血液検査を依頼して出た結果が、『副腎機能の低下』でした。どういうことかというと、「免疫力が上がりすぎて一部の免疫細胞が暴走し、正常な機能を誤爆してしまったのだ」と簡単に説明してくれました。

脳にある下垂体から各機能にホルモンが送られるのですが、副腎へ送られるはずのホルモンだけが出なくなった状態になったため、体内の塩分を保持して血圧を維持し、血糖を上昇させる働きのあるコルジゾールというホルモンが欠乏した結果のものだそうです。このホルモンが欠乏した時、倦怠感が出現し低血圧、低血糖となり放っておくと血圧が維持できずショック状態となり命を落としかねないということでした。

私は幸いにもステロイドを投与することで正常に戻りましたが、今後ステロイドを離すことができなくなりました。

今回の経験から現在、またこれから免疫チェックポイント阻害剤を投薬する方は、僅かな変化を見逃すことなくすぐに病院へ行かれることをお勧めいたします。咳が出たら「風邪かな?寝たら治るわ」とか、身体が怠くなったら「疲れているのか?寝たら治るわ」などと思わずすぐに主治医に連絡されることが大切です。小さな症状侮ったらあきませんよ。

腹膜・心膜・精巣鞘膜中皮腫におけるニボルマブ(オプジーボ)使用についての署名のお願い

胸膜中皮腫のセカンドラインの治療薬として、昨年、ニボルマブ(オプジーボ)が保険適用薬として使用されるようになりました。
一方、胸膜中皮腫以外の腹膜等の中皮腫(腹膜、心膜、精巣鞘膜)の患者は非該当とされたままです。
腹膜等の中皮腫患者は、胸膜中皮腫に準じる治療を受けています。
私達は、腹膜等の中皮腫患者にも胸膜中皮腫と同様の治療の選択肢を一日も早く認めて頂きたいと願っています。
この切実な思いを以下の要望にまとめ、政府、薬品会社、医療者の皆さんに届けたいと思います。
できるだけ多くの中皮腫患者の方々にこの要望に加わって頂きますようお願いいたします。同時に、患者家族をはじめ、多くの皆さんにご賛同の署名を頂きますようお願いいたします。
2019年6月7日
中皮腫サポートキャラバン隊
共同代表 栗田英司・右田孝雄